小規模事業者持続化補助金は
「書き方次第で採択率が大きく変わる補助金」です。
実務的に効く 申請のコツを、審査目線でまとめます。
① まず大前提(落ちやすい人の共通点)
❌ やりたいことだけを書いている
❌ 補助金の目的とズレている
❌ 数字・根拠が弱い
❌ 商工会・商工会議所任せで中身を考えていない
👉 「自社の課題 → 解決策 → 売上につながる」が一貫しているかが最重要です。
② 審査員が見ている評価ポイント(超重要)
審査は主にこの4点です。
経営課題が明確か
補助事業が課題解決に直結しているか
実現可能性があるか
売上・利益にどうつながるか
👉 この4点が、すべて文章の中で一本の線でつながっているかを見られます。
③ 事業計画書の「勝ちパターン構成」
おすすめ構成(この順で書くと強い)
① 現状と課題(感情ではなく事実)
売上推移(ざっくりでOK)
客層・商圏・競合
「なぜ今うまくいっていないのか」
📌 コツ
×「売上を伸ばしたい」
○「新規顧客の流入が少なく、リピート率が低い」
② 課題の原因(ここが甘いと落ちる)
なぜ集客できないのか
なぜ単価が上がらないのか
なぜ選ばれていないのか
📌 コツ
原因は人・物・情報に分解すると書きやすい
例:
情報:Web発信が弱い
物:サービス内容が伝わらない
人:営業動線がない
③ 補助事業の内容(超具体的に)
ここで初めて
HP制作
チラシ
機械導入
広告
などを書く。
📌 コツ
「なぜそれが必要か」→「どう使うか」→「どう変わるか」
例
×「HPを作ります」
○「問い合わせ導線を作り、月◯件の新規相談を獲得する」
④ 売上への効果(数字を必ず入れる)
審査員はここを一番見ます。
例:
客単価:◯円 → ◯円
月商:◯万円 → ◯万円
年間売上増:◯万円
📌 コツ
完璧な数字はいらない。筋が通っていればOK
④ 採択されやすいテーマ例(実績的に強い)
新規顧客獲得(Web・SNS・広告)
客単価アップ(セット化・高付加価値化)
業務効率化 → 接客・営業時間の創出
地域性・社会性(高齢者・外国人・地域密着)
👉 「ただの設備購入」だけは弱いです。
⑤ 商工会・商工会議所の使い方(超重要)
この補助金は
商工会 or 商工会議所の確認(様式4)が必須です。
⚠ よくある誤解
「相談すれば通るようにしてくれる」
→ ❌ 内容は見てくれるが、責任は取ってくれない
正しい使い方
事業計画を8割作ってから持っていく
「ここ弱いですか?」と聞く
表現・構成の修正アドバイスをもらう
※新宿なら 東京商工会議所(新宿支部) が窓口になります。
⑥ やってはいけないNG集
❌ 抽象ワード連発(「強化」「推進」「拡大」)
❌ 補助金ありきの事業
❌ 競合分析ゼロ
❌ 「売上は上がると思う」で終わる
⑦ 採択率を上げる裏コツ
写真・図を入れる(可能な範囲で)
専門用語を使わない
読みやすさ最優先(1文長すぎNG)
「国の補助金の目的」に寄せる
→ 地域経済・小規模事業者の持続性
⑧ もしよければ…
あなたの業種
今考えている補助事業内容
を教えてもらえれば、
👉 **「その内容で通りやすいか」
👉 **「どう書き換えれば採択率が上がるか」
👉 「数字の作り方」
まで具体的に添削イメージで説明できます。
かなり実践的なところまで一緒に詰められますよ。
小規模事業者持続化補助金は、「業種でほぼ制限されない」のが特徴です。
ただし、対象になるかどうかは「業種」+「従業員数」で判断されます。
以下、補助対象となる主な業種を実務ベースで整理します。
① 補助対象となる「基本条件」
まず大前提として、次を満たせば業種は原則OKです。
小規模事業者の定義
業種 常時使用する従業員数
商業・サービス業(宿泊・娯楽除く) 5人以下
サービス業(宿泊業・娯楽業) 20人以下
製造業・建設業・運輸業 20人以下
その他(農業等) 20人以下
※ 個人事業主・法人どちらも対象
② 補助対象となる主な業種一覧
🛍 商業(小売・卸)
小売店(衣料品・雑貨・食品など)
ネットショップ(EC)
卸売業
買取専門店
リサイクルショップ
👉 販路開拓(広告・EC強化)と相性◎
🍽 飲食・宿泊業
飲食店(居酒屋・カフェ・レストラン等)
キッチンカー
テイクアウト専門店
旅館・民宿・簡易宿所
👉 メニュー開発、集客広告、設備改善が定番テーマ
🏭 製造業
金属加工
木工・家具製作
食品製造
印刷業
工場系下請け事業
👉 新商品開発・試作品・設備導入が書きやすい
🏗 建設・工事業
電気工事
内装工事
リフォーム
設備工事
解体業
👉 HP・チラシ・営業ツール導入で採択例多い
🧑🔧 サービス業(かなり幅広い)
清掃業
美容室・理容室
整体・整骨・エステ
学習塾・スクール
コンサル業
士業(税理士・行政書士・社労士など)
IT・Web制作
デザイン業
翻訳・通訳
👉 「無形サービス」でも全く問題なし
🚗 運輸・物流
軽貨物運送
配送業
運送業
👉 業務効率化+販路開拓の組み合わせが強い
🌾 その他対象になりやすい業種
農業(6次産業化・直売・EC)
漁業・林業(加工・直販を伴う場合)
観光関連事業
地域密着型事業
③ 原則「対象外」または注意が必要な業種
完全NGではありませんが、内容次第で落ちやすいです。
風俗営業関連
ギャンブル性の強い事業
投資・金融商品販売のみ
不動産賃貸のみ(管理業はOKの場合あり)
副業レベルで実態が薄い事業
👉 「事業実態」「継続性」が弱いと不利
④ 業種より重要な本当のポイント
実は審査では、
❌「どの業種か」
⭕「小規模事業者として、地域で継続・成長するか」
が見られています。
つまり、
同じ飲食業でも
→ 通る人・落ちる人がはっきり分かれる
業種がマイナーでも
→ ストーリーが良ければ普通に通る
という補助金です。
⑤ 新宿で個人事業をされている場合の補足
新宿エリアは、
サービス業・建設業・IT系の採択実績が特に多い
東京商工会議所 新宿支部のサポートが受けられる
ので、業種不利はほぼありません。